update:2019/03/15
では、黒の最後に、ちょっとおまけになりますが、黒の磁器の話も追記しておきましょう。
今回は短くてすみません。
◎おまけの黒磁
おまけ扱いして恐縮ですが、別項にするほどでもない…というのが本音。
ですので、黒の磁器のご紹介は極簡単になります。
なぜなら、磁器というのは、以前にも書きましたが、素地を精製し、限りなく「純白」を求めたもの。せっかく苦労して白くした素地を黒くするより、もともと黒っぽい陶器を黒くしたほうが自然な発想なのではないでしょうか。
もっとも、磁器は薄く、軽く、素晴らしい素材ですから、現在のように技術が進歩し、安定して磁器がやけるようになると、惜しげもなく黒の釉薬をかけてしまうこともできるわけですが。
実際、日本では、現代作家をのぞけば、基本的に黒磁は焼かれていなかったようです。一方で、中国と朝鮮半島ではわずかに見られます。
中国で知られているは「黒定」です。中国河北省の定窯では、「白定」と称される白磁が有名ですが、白の磁胎に黒秞をかけた「黒定」も北宋時代に多くの優品が焼かれました。
そして、朝鮮半島の「黒高麗」。高麗時代のやきもので、日本でも人気があります。
さて、代表的な「黒」のやきものをご紹介しました。
次回は、「赤」を予定しています。
(2019年初出、2023年加筆修正)