【41】佐賀のやきもの情報

update:2024/08/13

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 ① 有田焼の里めぐり 〜有田町1
 ② 有田古窯・名窯めぐり 〜有田町2
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 ③ 佐賀の古窯跡めぐり
  〜有田町・唐津市・武雄市、他

 ④ 秘窯の里めぐり 〜伊万里市
 
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 ⑤ 唐津焼の街めぐり 〜唐津市
 ⑥ 武雄古唐津焼の里めぐり 〜武雄市
 ⑦ 肥前吉田焼の里めぐり 〜嬉野市
 ⑧ 白石焼の里めぐり 〜みやき町


 




③ 佐賀の古窯跡めぐり 〜有田町・唐津市・武雄市、他


佐賀の二大やきもの・有田焼と唐津焼の歴史をたどろう!
佐賀県内には、文禄・慶長の役(別名:やきもの戦争)の後、来日した朝鮮陶工によって、陶磁器の窯が築窯され、現在に至る“やきもの”の隆盛地になった。

磁器の窯跡まとめ

〜行きやすいところ、不便なところといろいろだが、古陶磁ファンにはたまらない〜

肥前磁器窯跡 *国指定史跡
【名所・史跡】江戸時代初頭の初期伊万里の磁器窯跡群
江戸時代初期に稼働した初期伊万里の窯跡のうち、代表的なものは国指定史跡となっている。有田の泉山で磁石が発見され、磁器が生産されるようになった。
西松浦郡有田町、武雄市、嬉野市
 
ー 天狗谷窯跡
 【名所・史跡】肥前磁器窯跡のうち、磁器創成が見られる窯
 江戸初期稼働の、陶祖李参平ゆかりの窯。全長52mの連房式登窯など5基以上
 からなり、有田最古の磁器窯、磁器のはじまりを記録する窯として貴重。
 ※見学用に整備・公開 ※近隣情報は「① 有田焼の里めぐり」参照
 西松浦郡有田町白川谷
 
ー 泉山磁石場跡
 【名所・史跡】陶祖李参平が発見したとされる磁器の原料地
 朝鮮陶工で陶祖の李参平(和名:金ケ江三兵衛)により磁器の材料となる
 良質の陶石を発見。これにより日本で初めて磁器の大量生産に成功した。
 ※近隣情報は「① 有田焼の里めぐり」参照
 西松浦郡有田町泉山1-5
 
ー 原明窯跡
 【名所・史跡】肥前磁器窯跡のうち、陶から磁に移行した窯
 江戸時代初期煮稼働した、4基以上の窯跡からなる連房式登窯。当初は唐津焼
 などの陶器を生産、後に初期伊万里の染付など磁器も生産されたと考えられる。
 ※保存のため埋め戻して整備、入口に解説板あり
 西松浦郡有田町原明
 
ー 山辺田窯跡
 【名所・史跡】肥前磁器窯跡のうち、染付の大皿を主に生産
 17世紀初めから中頃まで稼働し、有田最古の部類と考えられる。8基以上の連房式
 登窯で、初期は唐津系の陶器、後に磁器専門となり、主に染付大皿を生産した。
 ※保存のため埋め戻して整備
 西松浦郡有田町黒牟田
 
ー 百間窯跡
 【名所・史跡】肥前磁器窯跡のうち、多様な磁器生産の窯
 肥前磁器窯跡(有田町参照)の一つで、有田町との堺にある谷間、板ノ川内の尾根
 の西斜面にある登窯の窯跡。染付を主に白磁・青磁など製品の種類が多い磁器窯。
 ※案内板あり
 武雄市山内町宮野
 
ー 不動山窯跡
 【名所・史跡】肥前磁器窯跡のうち、染付や青磁が多い窯
 肥前磁器窯跡(有田町参照)の一つで、17世紀後期に稼働した皿屋谷窯跡群の
 一部。連房式登窯が5基以上と考えられる。染付芙蓉手皿や青磁の大物を出土。
 嬉野市皿屋谷
 
柿右衛門窯跡 *国指定史跡
【名所・史跡】柿右衛門様式の磁器生産をした登窯跡
柿右衛門窯裏手の年木山丘陵西斜面にある連房式登窯 で、江戸時代に稼働。柿右衛門様式を生み出した窯であり、乳白手や赤絵の他、VOCマーク入染付も出土。
※柿右衛門窯の情報は「① 有田焼の里めぐり」参照
西松浦郡有田町南山 酒井田柿右衛門窯 裏手
 
大川内鍋島窯跡 *国指定史跡
【名所・史跡】江戸時代・鍋島藩窯の史跡群
鍋島藩が御用窯として、大川内山に開窯。階段状の連房式登窯(全長137m以上、焼成室27~30室)、物原・御細工場跡・藩役宅跡・陶工屋敷跡群などが残る。
※大川内山一帯が史跡として認定 ※近隣情報は「③ 秘窯の里めぐり」参照
伊万里市大川内町一帯
 

 

陶器の窯跡まとめ

〜有名なところだけ記載しているが、県内には陶器の窯跡が大小いろいろ〜

肥前陶器窯跡 *国指定史跡
【名所・史跡】江戸時代の肥前で稼働した陶器窯跡群
江戸時代の窯跡群。唐津市北波多の岸岳系、唐津市内の御用窯、武雄市北部の内田系と黒牟田系、多久盆地西方の唐人古場窯跡に分類。
唐津市(北波多の岸岳山麓)、武雄市北部、多久(牛津川上流部)に点在
 
ー 飯洞甕下窯 ※佐賀県指定史跡
 【名所・史跡】唐津焼の源流を知る、最古の割竹式登窯
 肥前陶器窯跡のうち、岸岳古窯跡の一つ。現存する日本最古の登窯で、
 割竹式登窯(全長18.4m)の様式を残している。
 ※覆屋を掛け、保存・公開
 唐津市北波多稗田3372-104 古窯の森公園 内
 
ー 錆谷窯跡
 【名所・史跡】肥前陶器窯跡のうち、黒牟田系古唐津の窯跡
 肥前陶器窯跡(唐津市参照)の一つで、17世紀初頭頃に稼働した黒牟田系
 古唐津の登窯。鉄絵装飾の製品は少なく、皮鯨手は比較的多くみられる。
 武雄市武内町真手野
 
ー 小峠窯跡
 【名所・史跡】肥前陶器窯跡のうち、内田系古唐津の窯跡
 肥前陶器窯跡の一つで、17世紀前期に稼働した内田系古唐津の登窯。
 鉄絵や刷毛目・象嵌・型紙摺りなどがみられ、青磁や染付磁器の製造も。
 武雄市武内町真手野
 
ー 大谷窯跡
 【名所・史跡】肥前陶器窯跡のうち、内田系古唐津の窯跡
 肥前陶器窯跡の一つで、17世紀後期に稼働した内田系古唐津の登窯。
 主に大皿や鉢、刷毛目や二彩の装飾がみられる。さらに磁器や京焼風陶器なども。
 武雄市武内町真手野
 
御茶碗窯跡
【名所・史跡】中里家が献上唐津を焼いていた窯跡
江戸〜大正時代に稼働。唐津藩の御用窯跡として、中里家が献上唐津を焼いていた連房式登窯。廃藩後の明治以降も、中里家により大正年間まで使用された。
※中里太郎右衛門陶房の情報は「④ 唐津焼の街めぐり」参照
唐津市町田3-6-29 中里太郎右衛門陶房 内
 


 

 

 
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④ 秘窯の里めぐり 〜伊万里市


鍋島藩が秘窯としたやきものの里「大川内山」に行こう!
伊万里焼の呼称は、江戸時代に伊万里港から輸出したことからで、現在の伝統的工芸品は「伊万里・有田焼」と登録。でも伊万里には鍋島藩が作った秘窯の里がある。

「伊万里駅」界隈

〜駅にやきものギャラリーや観光協会もあるので、まずはここを基点に〜

伊万里・鍋島ギャラリー
【美術館・博物館】近世陶磁器専門のステーションギャラリー
伊万里駅ビル2階に伊万里市所蔵の近世陶磁器を公開。鍋島焼163点・古伊万里129点などを所蔵し、うち約80点を入れ替えながら展示。
伊万里市新天町622-13 伊万里駅2F(松浦鉄道側) →HPにジャンプ
 
伊万里市陶器商家資料館
【美術館・博物館】江戸時代の陶器商の建物を保存・展示
伊万里市重要文化財・佐賀県遺産に認定されている、白壁土蔵造の陶器商家。江戸時代当時の家具や調度品、江戸時代後期から明治初期の古伊万里を展示。
伊万里市伊万里町甲555-1 →HPにジャンプ
 
伊万里市歴史民俗資料館
【美術館・博物館】こじんまりとした資料館だが充実の展示
古墳時代から中世・近世の郷土の遺物や資料を保存・公開。古墳や窯跡などの遺構から出土した三角縁神獣鏡や勾玉、古唐津の陶片や江戸時代初期の古伊万里など。
伊万里市松島町73-1 →HPにジャンプ
 

 

「大川内山」界隈

〜三方を山と関所で、鍋島藩が技術漏洩を守った「秘窯」鍋島焼の里〜

伊万里・有田焼伝統産業会館
【やきもの複合施設】伊万里焼の資料展示や企画展など開催
里の入口にあり、無料駐車場もあるので、観光の基点に。現在の窯元作品や、古伊万里や鍋島など古陶磁や資料を展示、企画展も開催。絵付体験も可(※要予約)。
伊万里市大川内町丙221-2
 
鍋島藩窯橋
【やきものフォトスポット】磁器タイルや陶板・壺で飾られた橋
関所を過ぎてすぐにある、白磁に染付や色絵で、風景の陶板や龍や鳳凰で彩られた鮮やかな橋。この橋を越えると、窯元が軒を連ねる鍋島藩窯坂。
伊万里市大川内町丙
 
伊万里鍋島焼会館
【やきもの複合施設】窯元の作品が集まる展示直売とカフェ
鍋島藩窯橋を超えてすぐ、鍋島藩窯坂の入口にある。鍋島青磁・鍋島染付・色鍋島など大川内山のやきものを展示販売。カフェを併設。
伊万里市大川内町乙1806
 
大秀窯 ー ギャラリー天青
【窯元・工房】伝統と現代性を持つ、大秀ブルーの青磁
2代目で伝統工芸士の大串秀則と、3代目大串匡秀が活躍する窯元。ロクロから上絵まで鍋島焼の伝統を追求し、中でも“大秀ブルー”と呼ぶ独自の青磁が人気。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙1657-9 →HPにジャンプ
 
畑萬陶苑
【窯元・工房】精密で奥行きある巧みな絵付けで有名
昭和元年(1926)開窯、現当主は4代目の畑石眞嗣。水墨画のような、繊細な山水の染付で知られる。有名シェフやデザインブランドとのコラボなどもある。
※ギャラリー併設、工房見学可
伊万里市大川内町乙1820 →HPにジャンプ
 
鍋島御庭焼
【窯元・工房】伝統ある鍋島藩御用窯の唯一の直系の窯元
延宝3年(1675)に鍋島藩が現在の大川内山に移転させて、本格的な藩窯が始まって以来の鍋島藩御用窯の直系。鍋島の家紋「杏葉」の使用が認められている。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙1822-1
 
瀬貞陶窯 寛右ェ門
【窯元・工房】伝統の古染付の手法で、現代的な器をつくる
現当主は7代目。手描きの古染付で知られる。伝統的でありながら、現代的な感覚の器作りをしており、料理人などにも人気。直火、IH両方対応の伊万里焼鍋なども。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙1848
 
青山窯
【窯元・工房】展示販売場に、古陶磁を展示する骨董室も
鍋島藩窯に従事した川副内蔵介(享保年間)を遠祖とし、明治16年(1883)に民窯として開窯。現当主・5代目川副史郎は“新”鍋島スタイルに取り組んでいる。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙1832 →HPにジャンプ
 
瀬兵窯 ー Shop陶筥
【窯元・工房】天然の色素による絵付けが生む赤絵
大正13年(1924)開窯。 なるべく天然素材を使用することを重視し、中でも独自の技術である透明色の赤絵の具による上絵付けが有名。本社・工場は別住所。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙1982 →HPにジャンプ
 
鍋島藩窯 小笠原籐右衛門
【窯元・工房】伝統をまもりつつ、現在は無鉛絵の具に変更
明治に藩窯が無くなった際、その流れを継承して独立、文化年間(1780頃)の御用陶工・初代小笠原藤右衛門から数えて、現在は8代目小笠原籐右衛門。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙1971 →HPにジャンプ
 
長春青磁陶窯
【窯元・工房】地元の青磁鉱石100%使用の鍋島青磁
鍋島藩窯の「鍋島青磁」の伝統を守り、大川内山産の天然青磁鉱で釉薬を作る。現当主の9代小笠原長春は陶芸家・古陶の研究家としても活躍。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙2024
 
大五郎窯
【窯元・工房】鍋島伝統の観音像や十二支などを発表
元禄年間、遠祖・福岡彌右エ門に始まり、伝統を受け継ぐ。現在の窯は、昭和50年(1975)に独立・開窯。白磁の観音像を筆頭に、置物で知られる。
※ギャラリー併設
伊万里市大川内町乙2094 →HPにジャンプ
 
鍋島藩窯公園
【やきものフォトスポット】藩窯の歴史を見せる施設などを再現した公園
陶片やタイルのオブジェがある「やきもの広場」や、やきもの制作現場を再現した「御細工場」、江戸時代のものを再現した「陶工の家」、「登り窯」など。
伊万里市大川内町丙
 
ー 古窯跡
 【名所・史跡】公園内にある、お経石窯跡・清原窯跡
 江戸時代に稼働した、連房式登窯。13室の焼成室があり、染付網目文の碗が数多く
 出土。清原窯跡は、出土した陶片をシェルターで覆った状態で見ることができる。
 伊万里市大川内町丙
 
♡肥前伊万里やきものまつり 春の窯元市
【陶器祭・イベント】秘窯全体が祭りに包まれる春のイベント
大川内山の30窯元による陶器まつり。普段より安く販売するのはもちろん、作品展の開催や、買い物スタンプラリーなどのイベントも人気。
■例年4月(GW)
■大川内山一帯
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♡鍋島藩窯秋まつり 秋の窯元市
【陶器祭・イベント】秘窯全体が祭りに包まれる秋のイベント
先人の陶工達に感謝し、窯元の繁栄を祈願する祭り。日峯社奉納式、筆供養、鍋島献上の儀と歴史的イベントに、窯元市も同時開催。
■例年11月
■大川内山一帯
→HPにジャンプ
 
♡磁器ひいなまつり/♡風鈴まつり
【陶器祭・イベント】春の雛人形さがしと夏の風鈴さがし
鍋島文様の着物を着た雛人形を展示・販売する「ひいなまつり」と、夏の風物詩、約1000個の風鈴が里に響く「風鈴まつり」。それぞれ季節のお気に入りが探せる。
■例年2月〜3月上旬、6月〜8月
■大川内山一帯
→HPにジャンプ
 

 

伊万里郊外あれこれ

〜伊万里にあって、磁器より先に焼かれた松浦唐津系の古窯の伝統を守る窯元へ〜

松浦唐津 今岳窯
【窯元・工房】唐津焼の人気陶芸家の溝上藻風の窯元
昭和41年(1966)開窯。歴史ある古唐津の伝統を守り、伊万里の土で唐津焼を発表している。溝上藻風が蒐集した古唐津の資料も公開。
※ギャリー併設 ※陶芸体験可(要予約)
伊万里市大坪町甲1384-1 →HPにジャンプ
 

 


 
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