【46】鹿児島のやきもの情報

update:2024/08/13

 
鹿児島 〜華麗さと使いやすさ、それぞれの「薩摩焼」

INDEX
① 伝統の薩摩焼の里めぐり 〜美山(日置市)
② 龍門司の歴史と伝統めぐり 〜姶良市
③ 薩摩焼とアートめぐり 〜鹿児島市+指宿市
④ 火山の島のやきもの探し 〜桜島
⑤ まぼろしの熊野焼さがし 〜種子島
⑥ 奄美のやきもの探し 〜与論島・徳之島


 




① 伝統の薩摩焼の里めぐり 〜美山(日置市)


昔からの“薩摩焼の里”美山を散策しよう!
江戸時代から続く、窯元が集まる集落「美山(昔の苗代川 )。ここから生まれた薩摩焼を苗代川系と呼び、400年以上続く、薩摩焼の名陶の家もある。

美山陶遊館
【やきもの複合施設】美山の窯元作品の展示販売、陶芸体験も
薩摩焼を触れる施設として、美山に集まる窯元の作品展示・販売や、本格的な薩摩焼の陶芸体験ができる。薩摩ボタンの絵付けも。
日置市東市来町美山1051 →HPにジャンプ
 
沈寿官窯
【窯元・工房】苗代川系の薩摩焼を代表する伝統の窯元
慶長3年(1598)、初代沈当吉が開窯。薩摩藩焼物製造細工人を務め、現在も薩摩焼を代表する陶家。当代は15代沈寿官。伝世品収蔵庫では初代から当代まで展観。
※沈壽官家伝世品収蔵庫併設 ※ギャラリー・カフェ併設
日置市東市来町美山1715 →HPにジャンプ
 
荒木陶窯
【窯元・工房】苗代川において400年を超える歴史の窯元
薩摩焼を始めたとされる朝鮮陶工・朴平意の末裔で、当代は15代玉明山 荒木秀樹。現代の名工に認定された14代・15代の作品を展示する美術館を併設。
※ギャラリー・美術館併設
日置市東市来町美山1571 →HPにジャンプ
 
♡美山CRAFTWEEK(旧:美山窯元祭り)
【陶器祭・イベント】美山の薩摩焼がいろいろ見られる陶器祭り
昭和61年(1968)から続く、“薩摩焼の里”美山の陶器祭り。各窯元や工芸工房が一般公開・販売をする他、体験や飲食なども。会期も9日間と長め。
■例年10月
■美山地区一帯
 
堂平窯跡 *日置市指定考古資料
【名所・史跡】現在の薩摩焼のルーツで、苗代川の最古の窯
17世紀前半〜後半まで稼働した、苗代川では最も古い窯跡とされる朝鮮系単室傾斜窯。朝鮮製陶技術そのものが見られる器が出土しており、現在の薩摩焼のルーツ。
※道路建設のため移築、覆屋を掛けて公開
日置市東市来町美山1142
 
御定式窯跡 *鹿児島県指定文化財
【名所・史跡】薩摩藩の御用窯で、苗代川系の薩摩焼を完成
寛延年間(1748頃)、薩摩藩の御用窯として開窯。この連房式登窯で華やかな「金欄手薩摩」が焼かれ、パリ万国博覧会(1867)では欧米から高く評価された。
※案内板あり
日置市東市来町美山973
 


 
 

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② 龍門司の歴史と伝統めぐり 〜姶良市


薩摩焼の系統の一つ、龍門司焼を探しに行こう!
きらびやかな白薩摩に対して、普段使いの黒薩摩が龍門司焼。特に黒千代香(黒ぢょか)と呼ばれる、鹿児島県独特の焼酎用の土瓶が代表的。

黒薩摩 龍門司焼企業組合
【窯元・工房】300年以上の伝統を守る黒薩摩の代表的存在
龍門司系薩摩焼「龍門司焼」は、元禄元年(1688)山元碗右衛門が開窯。昭和23年(1948)からは、伝統を守る陶工たちで組合を作り、共同で製造・販売。
※ギャラリー併設、陶芸体験可
姶良市加治木町小山田5940 →HPにジャンプ
 
♡龍門司焼 陶器まつり
【陶器祭・イベント】龍門司焼がお得に買え、イベントもいろいろ
40回を超える、龍門司焼の陶器市。伝統工芸士3名、うち1名は現代の名工に認定されている陶工たちの作品の展示即売や陶芸体験、キッチンカーも出店。
■例年12月
■龍門司焼企業組合
 
龍門司焼 次郎太窯
【窯元・工房】独自の龍門司焼釉薬を創始、一子相伝で継承
山元碗右衛門が開窯した山元窯を川原家が継承し、川原家陶祖と呼ばれる川原十佐兵衛が龍門司焼の上薬を完成。一子相伝で受け継がれ、当代は12代目川原輝夫。
※ギャラリー併設
姶良市加治木町小山田6096-2 →HPにジャンプ
 
龍門司焼古窯 *鹿児島県指定史跡
【名所・史跡】昭和までの長い期間稼働し続けた珍しい窯
18世紀前期に初代山元碗右衛門が開窯し、昭和30年(1955)頃まで約260年、以来改築を繰り返しつつ、稼働していた連房式登窯。
※覆屋を掛け、保存
姶良市加治木町小山田6096 龍門司焼次郎太窯 隣
 


 

 

 
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③ 薩摩焼とアートめぐり 〜鹿児島市+指宿市


薩摩焼のアレコレを探しにアチコチへ!
薩摩藩の島津家は文化向上に尽力したことで知られる。その名残が今の鹿児島にも残っており、薩摩焼や薩摩切子もそのうちの一つ。ぜひ美術館などで見てみよう。

鹿児島県歴史・美術センター 黎明館
【美術館・博物館】薩摩焼の優品が常設展示している博物館
歴史民俗資料館として、考古・歴史・民俗・美術工芸を総合博物館。薩摩焼の優品も数多く所蔵・展示。展覧会も定期的に企画・開催。
鹿児島市城山町7-2 →HPにジャンプ
 
♡薩摩焼フェスタ
【陶器祭・イベント】鹿児島県内に点在する薩摩焼窯元が集まる
薩摩焼協同組合所属の窯元作品が一堂に。組合員はあちこちに点在しているので、ここでチェック。子ども陶芸展やオークションなどのイベントも。
■例年11月
■かごしま県民交流センター
 
さつまブランドギャラリー
【ショップ・ギャラリー】薩摩の伝統工芸、薩摩焼と薩摩切子の店
15代沈壽官監修の薩摩焼と島津家尚古集成館監修の薩摩切子の専門店。本格派の伝統工芸品ながら、酒器やカップなど、手に取りやすいものも販売。
鹿児島市新照院町41-1 城山ホテル鹿児島4F →HPにジャンプ
 
仙巌園
[やきもの以外もオススメ!]島津家別邸の名勝と尚古集成館
園内には御殿や博物館「尚古集成館」も。郷土料理や茶房もあり、文化体験として薩摩焼など様々。お土産も充実、中でも「ブランドショップ」には薩摩焼がある。
鹿児島市吉野町9700-1 →HPにジャンプ
 
三宅美術館
【美術館・博物館】古薩摩を500点以上所蔵する私設美術館
三宅力個人コレクションを美術館として開館。絵画と陶磁器が中心で、錦手や苗代川焼、平佐焼、龍門司焼、元立院焼、能野焼などの古薩摩、長太郎焼などを所蔵。
鹿児島市谷山中央1-4319-4 →HPにジャンプ
 
児玉美術館
【美術館・博物館】能野焼・白薩摩焼・龍門司焼など展示
緑豊かな広い敷地内にある私設美術館。日本の近現代絵画や陶磁器を所蔵している。陶磁器展示室には鹿児島の古陶磁と近現代の陶芸作品を展示。
鹿児島市下福元町8251-1 →HPにジャンプ
 
渓山窯 南洲工房
【窯元・工房】伝統の、華麗な白薩摩を現代に
昭和49年(1974)開窯、現在は2代目渓山。伝統の白薩摩を成形・焼成・絵付けまで行い、その繊細な絵付けや籠目透彫などで知られる。
※要問い合わせ
鹿児島市慈眼寺町6-5 →HPにジャンプ
 
指宿長太郎焼窯元
【窯元・工房】伝統的な黒千代香をはじめ、新しい釉薬も
薩摩藩主御庭焼の絵師・初代有山長太郎の系譜の一つで、昭和27年(1952)開窯。伝統的な黒薩摩だけでなく、辰砂や氷裂文など、現代的な新しい薩摩焼を発表。
※ギャラリー併設
指宿市東方7834 →HPにジャンプ
 


 
 

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④ 火山の島のやきもの探し 〜桜島


桜島観光のお土産・体験に「桜島焼」を!
人気の観光地・桜島でうまれた「桜島焼」は、皮革手つき新しいやきもの。溢れる火山灰を使って、独自の釉薬を開発した窯元があり、お土産や陶芸体験が人気。

桜島焼 桜岳陶芸
【窯元・工房】桜島の火山灰と温泉水で作る銀彩が人気
昭和51年(1976)、白薩摩の窯元として開窯。後に桜島の火山灰を用いた桜島焼を始める。火山灰と鉄分の多い温泉水を使った釉薬で、独特の銀彩を出すのが特徴。
※ギャラリー併設、陶芸体験可
鹿児島市桜島赤水町1360 →HPにジャンプ
 
桜島溶岩焼 村山陶芸
【窯元・工房】桜島の火山灰を使った黒千代香が人気
桜島の火山灰を使った釉薬で、黒みの強い光沢ある器を制作。中でも、焼酎用の黒千代香など酒器が代表的。陶芸体験も人気がある。
※ギャラリー併設、陶芸体験可
鹿児島市桜島赤水町1080-1
 


 

 

 
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⑤ まぼろしの熊野焼さがし 〜種子島


能野集落(現:住吉)にあった熊野焼と生まれた種子島焼!
明治期に途絶えた種子島の熊野焼(よきのやき)を復興させようとの地元の要請で、唐津の中里隆が復興、この焼締陶を種子島焼と呼称。現在は後継者たちが開窯。

能野焼窯跡 *西之表市指定史跡
【名所・史跡】明治に途絶えてしまった“幻の熊野焼”窯跡
江戸中期~明治35年(1902)まで稼働した、熊野焼の窯跡。朝鮮系登窯だが、その起源は諸説ある。現在は途絶えた熊野焼を復興させ、種子島焼とも呼ばれる。
※案内板あり
西之表市住吉上能野
 
種子島南蛮 住吉窯
【窯元・工房】種子島焼を興した中里隆の弟子の窯
中里隆に師事し、昭和63年(1988)開窯。南蛮焼とは江戸期に輸入された東南アジアの焼締。鉄分の多く耐火度の低い種子島の土は明るく発色する自然釉が特徴。
※ギャラリー併設
西之表市住吉1348
 
能野焼窯元 福元陶苑
【窯元・工房】登窯で焼成する、種子島の土の焼締陶
昭和53年(1978)開窯、種子島のやきものの先駆者の一人で、種子島の土を使い、登窯で焼締焼成を行う。陶芸体験も人気。
※ギャラリー併設、陶芸体験可
西之表市住吉710 →HPにジャンプ
 
種子島開発総合センター 鉄砲館
【美術館・博物館】能野焼や現在の窯元作品も常設展示
種子島の歴史・民俗・自然を紹介する博物館。ポルトガル初伝銃や伝国産第1号銃など古式銃を約100点を展示しているが、能野焼などもまとまって見られる。
西之表市西之表7585 →HPにジャンプ
 


 
 

鹿児島の黒豚メンチ!


 

⑥ 奄美のやきもの探し 〜与論島・徳之島


奄美の自然と独自のやきものを見に行こう!
徳之島にある中世の琉球列島に分布したカムィヤキ(亀焼)は、琉球王国の歴史を知る上で重要。また、与論島には独自の色を島の自然素材で作る窯元がある。

与論島

〜与論島に唯一ある窯元で、島独自の器を買いに行こう〜

ゆんぬ・あーどぅる焼窯元
【窯元・工房】与論島の土と植物で、島独自の器を制作
島の言葉で「ゆんぬ」は与論、「あーどぅる」は赤土。島のガジュマルやソテツ・珊瑚などを釉薬にして、独特の島の“色”を出す。
※ギャラリー併設、陶芸体験可
大島郡与論町古里909
 

 

徳之島

〜奄美から琉球列島に広く流通したカムィヤキを見に行こう〜

徳之島カムィヤキ陶器窯跡 *国指定史跡
【名所・史跡】須恵器に類似したカムィヤキ(亀焼)窯跡
海岸から4kmの丘陵地帯の窯跡群で、約100基推定。平安後期~室町時代に稼働した地下式窖窯。日朝の系譜を受け継いだ「南島の中世須恵器」と位置づけられる。
※案内板あり
大島郡伊仙町伊仙
 
伊仙町立歴史民俗資料館
【美術館・博物館】カムィヤキ陶器窯跡の出土品を展示
徳之島の自然・民具・考古資料を展示。土器や石器に加え、窯跡の出土品も展示されており、他にも中国の白磁や青磁などの陶磁器も。
大島郡伊仙町伊仙2945-3 →HPにジャンプ
 

 


 
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