酒井田柿右衛門

update:2018/03/14

日本は100年、200年、300年、それ以上・・・と、代々受け継がれている陶工の家「名陶」があります。
ここでは、誰もが知る陶芸界の名家をご紹介していく企画です。
このアプローチで陶芸を知るというのも、なかなか面白いと思いますよ。

では、第1回目は「酒井田家」。骨董では高級品の代名詞で「柿右衛門(かきえもん)というキーワードが小説やドラマなどでも出てくると思いますが、“ソレ”ですよ。
実際に佐賀県有田にあって、現在は15代目です。
江戸の初めに創始され、代々「酒井田柿右衛門」を名乗る家。有田焼の筆頭を飾る名門の一つ(というか、リーダーと言っても過言ではないかもしれませんが)で、現在も伝統を守り、薪窯で色絵磁器を作っています。

柿右衛門の代名詞「濁手(にごしで)」という技術は、温かみのある乳白色の素地で、1670年代には完成していたと言われています。しかし、江戸中期に途絶え、昭和に入って復元されました。12代と13代柿右衛門親子の功績です。そして、この技術は国の重要無形文化財になっています。

近代に入ってからは、いわゆる伝統の窯元の当主としての活動と、個人の陶芸家としての活動の2本立てが通例。この酒井田家でも、窯元として多くの陶工・絵付け職人を抱え、柿右衛門窯の器を世に生み出し続ける一方で、前述の12代・13代の作品も現在でも高く評価されていますし、当代の15代柿右衛門個人もつくった作品を展覧会で発表しています。
ちなみに、2013年に亡くなった14代柿右衛門は、陶芸家として名高く、色絵の人間国宝に指定されていました。

柿右衛門個人の「作品」は1点ものですし、「作品」ですから、簡単には手に入りません。展覧会などの機会に買うしかありませんが、柿右衛門窯の「器」は、職人たちによる数多く作られている「数もの」ですから、デパートや直営店などで購入することは可能です。

有田に直接行くなら、窯元の敷地内に購入ができる「展示場」と歴代の柿右衛門作品が展示されている「古陶磁参考館」がありますので、ぜひオススメしたいのですが、東京・大阪に直営店がありますので、そちらもいいですね。

ご興味がありましたら、ぜひ。

●柿右衛門窯 佐賀県西松浦郡有田町南山丁352
(車がオススメです。長崎空港からなら車で小一時間、福岡空港でも90分くらいです)
 https://kakiemon.co.jp/

●柿右衛門窯 東京店 東京都港区赤坂6-19-44

●柿右衛門窯 大阪店 大阪市西区新町1-8-6
 
 
14代酒井田柿右衛門が残した陶芸への思い。心が揺さぶられます。

遺言:愛しき有田へ

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(2023年加筆修正)