気になる新刊『急須でお茶を―宜興・常滑・急須めぐり 』

update:2018/07/23

今日取り上げる「新刊」は、マニアにはたまらない、テーマを絞った一冊。

INAXライブミュージアム企画委員会
『急須でお茶を―宜興・常滑・急須めぐり』 LIXIL出版

常滑といえば、急須。
その由来から、本書は説明してくれます。
つまり、中国明・清時代の宜興から日本の常滑へ。そして、煎茶が盛んになった、江戸か明治へと。

急須は、明治・大正期は、茶器として非常に人気となり、花嫁道具だったりもして、各地で急須づくりの名人がたくさんいました。
・・・しかし、今ははっきり言って下火。技術的にも優れた急須を作るのは難しいし、一方で、お茶を呑む人が減ったり、安価な急須や土瓶が売られていたりと、陶磁器業界では近年、急須や湯呑の需要が減ってきているのを問題視しているくらいなのです。

本書は、喫茶文化として、そして陶芸として、急須の面白さを再発見させてくれる本といえるでしょう。

ちなみに、実物も是非、という方は、下記の展覧会で。

「急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美」
2018年4月21日(土)~9月25日(火)
INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
愛知県常滑市奥栄町1-130
http://www.livingculture.lixil/ilm/
 
 

急須でお茶を―宜興・常滑・急須めぐり (INAXミュージアムブック)