update:2019/12/10
京都国立近代美術館では、伝統工芸の街にふさわしく、数年に一度、非常に注目の陶芸関係の展覧会を企画しています。
来春の1月4日からはイタリア現代陶芸の巨匠の回顧展です。
記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠
ニーノ・カルーソ
2020年1月4日〜2月16日
京都国立近代美術館
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2019/435.html
ニーノ・カルーソ(1928〜2017)は、古代の巨石遺跡を彷彿とさせる、壁面や柱、門などの形状の陶彫作品で知られています。
しかしながら、本展は日本初の大規模な回顧展ということで、約90点の代表的な作品が並び、初期作品も観覧することができるのも注目です。すなわち、作家自身の故郷であるシチリアの神話や象徴を表現した「鷲」や「エトルリア人」などの造形作品も一堂に回するということになります。
いわゆる陶彫作品としてイメージしやすい装飾性のあるオブジェから、やがて古代の空間へと誘う建築物のような造形作品へと変化していく作家の表現の変化を堪能することができるでしょう。
…それにしても、イタリアの現代陶芸の巨匠って、このニーノ・カルーソにしても、カルロ・ザウリにしても、ローマの古代建築が創造の原点になるのかなと思わずにはいられないですね。日本人が、法隆寺の木造建築に心を惹かれるのに近い感覚かもしれません(勝手に思っているだけですが)。
ちなみに、本展は京都の後、岐阜に巡回予定です。
岐阜県現代陶芸美術館
2020年2月27日〜4月12日
ぜひ。