今回はやきもの戦争以後の窯の話です。 このエッセイでも時々でてくる「やきもの戦争」。豊臣秀吉が行った文禄・慶長の役(1592〜93, 97〜98)の別名です。当時、茶の湯における侘び寂が盛んになるにつれ、戦国武将の間でも […]
さて、窯の話は、大量生産へと進む、中世窯へと移っていきます。 鎌倉・室町時代と進むにつれ、庶民レベルまで陶器が使われるようになります。やきもの史における中世の三大器種が壺(つぼ)・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)です。どれも […]
今日取り上げる「新刊」は、実は20年近く前から販売されているロングセラーです。 矢部良明 監修 『増補新装 カラー版 日本やきもの史』 美術出版社 いわば、日本のやきものの歴史をつづった「教科書」ですね。 これほど体系的 […]
前回の有田の話の続き。京都も磁器の焼成に成功し、現在につながる京焼の隆盛のはじまりました。 ◎京焼の台頭 肥前と共に、江戸時代のやきものに華を添えたのが京焼です。経済産業省が認定している伝統的工芸品としては、「京焼・清水 […]
前回は、「近世のやきもの」という大きな枠で、大きく流通した生活用品としてのやきもの、茶の湯の世界の流行を紹介しました。今回は近世の続きとして、やきもの史として産業面・技術面から大きな流れをリードした有田焼(伊万里焼)と京 […]
さて、いよいよ近世、江戸時代にはいってきました。 近世のやきものと言えば・・・、全体の印象としては、多彩な意匠と、庶民から武家までの、現在に通じる日用づかいのものから豪華絢爛な大名道具までの多様な「器種」が生み出された時 […]
さて、戦国武将と茶の湯の話の続きは、秀吉の朝鮮出兵の話から。 実は、当時の名物はほぼ中国あるいは朝鮮半島から来た陶磁器。平安時代にはすでにあった唐物崇拝は消えたわけではないのです。ただ、それが「すべて」でもなくなってきた […]
今回は、千利休と時を同じくして活躍した戦国武将たち、信長や秀吉からみた桃山時代の話をしましょう。群雄割拠の時代から、織田信長、豊臣秀吉、そして徳川家康へ。やきものがテーマでは、外せない時代です。 いつも思っていることです […]
さて、前回は、茶の湯の隆盛の中で輝かしい成果となった樂焼を書きましたので、今回は、それ以外の和物茶碗をご紹介し、この桃山の茶陶の話をまとめしょう。 ◎樂焼以外の和物茶碗 樂家が現在まで途切れる事なく続いていている一方で、 […]
さて、今回も室町時代から話を始めます。茶の湯の隆盛へと向かう時代です。 茶の湯と言えば、千利休とその弟子たちが有名ですが、利休は創始者ではありません。利休に至るまでの道を造った茶人たちが室町中期に現れました。当時は、唐物 […]