根津美術館「新・桃山の茶陶」

update:2018/10/26

日本をはじめ、東洋古美術のコレクションで名高い根津美術館。
その中でも、茶陶(茶の湯に使う器)は有名です。

その同館が誇るコレクションに、全国から名品・優品を集めた特別展が開催中です。

特別展「新・桃山の茶陶」
10月20日〜12月16日
根津美術館
東京都港区南青山6-5-1
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

「桃山」は、戦国時代、江戸時代直前の短い期間に、きら星のように登場し、消えていった和物(わもの;国産品)の茶陶。
それまでの唐物(からもの;中国をはじめとする輸入品)至上主義のようであった、茶の湯の世界に、独自の美的感覚と、現代に通じるような斬新な意匠を持ち込んだやきもの。

具体的には、志野焼や織部焼、唐津焼などなどですね。実は、志野や織部は幻のやきものでした。作られなくなっていたため、焼き方も釉薬も分からなくなっていたものを、近代に入って「桃山復興」として、多くの陶芸家が再興を試みたため、現代も桃山の茶陶が続いているように見えるだけです。唐津焼も備前焼は、ずっと続いていましたが、桃山の意匠は、やはり近代に入って、作家たちが再興したものです。

そして、今も、愛陶家、茶の湯の間では、桃山の茶陶は大人気です。
しかしながら、本展は近代の「新しい桃山の茶陶」という意味ではありません。
あくまでも、30年前の展覧会に続いて「新・桃山の茶陶」となっていて、展示されるものも、桃山の名品ばかりです。

それにしても、根津美術館は、定期的に行きたくなる魅力的な美術館。
日本庭園では、そろそろ紅葉の見頃になっているかもしれません。
展覧会とともに、「秋」も楽しみたいですね。

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実は、茶陶の本としては、3冊セットになっていますので、合わせてもおすすめです。いずれも本格派の名著・名写真集です。

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